[東京 12日 ロイター] 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクス
<6723.T>は12日、100%子会社のルネサスモバイル(東京・千代田)で赤字が続いているモバイル事業について、売却を含めたさまざまな選択肢を検討すると発表した。2013年度中に結論を出すという。
モバイル事業は、ルネサスが10年11月末に約2億ドル(約180億円)で買収したフィンランドの携帯電話メーカー、ノキア<NOK1V.HE>の携帯端末向け無線通信技術開発(ワイヤレスモデム)事業が前身。ルネサスモバイルの従業員約1900人の大多数がモバイル事業に従事し、このうち海外は約1500人で、複数の海外企業とも売却交渉しているという。
国内では、富士通
<6702.T>とパナソニック
<6752.T>のシステムLSI(大規模集積回路)事業を統合して新設する設計・開発会社に合流する案もまだ残されている。システムLSI事業の統合では当初、ルネサスも交渉に参加していたが、富士通、パナソニック2社による2月の新会社設立で協議を開始するとした発表の際にはルネサスは条件が折り合わず、参加を見送った経緯がある。
モバイル事業は買収してから12年第3・四半期(10―12月期)まで累積450億円の営業赤字を計上しており、業績悪化が続いている。一方、ルネサスモバイルの中で黒字となっており、ルネサス本体が注力する方針を決めている自動車向け情報システム事業と産業機器向け事業は検討の対象外とする。
(ロイターニュース 白木真紀;編集 田中志保)