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日本の医療機器の輸出額は11年に約4800億円で、同5800億円の輸入超過だった。世界で強いのは内視鏡など一部製品に限られていた。政府は高度医療機器の承認審査の期間短縮などで開発・販売を支援する。放射線のがん治療装置は世界で年3000億円を超える。副作用が少ない最新鋭機の開発では日本が欧米勢より先行し、世界で普及が進めば需要が拡大する可能性がある。
日立は政府の最先端研究開発支援プログラムで北大の白土博樹教授と次世代機を共同開発した。陽子を肺や肝臓など呼吸や脈で動く臓器のがん細胞に当てる。照射量は半分以下で正常細胞の影響は小さい。これまで難しかった6センチ以上の大きながんも治療できる。14年初めにも厚生労働省に承認申請。承認が得られれば14年夏に北大病院で治療を始める予定。米国には16年にも輸出を狙う。
日立は現行機でも台湾や香港などで受注を狙う。装置の価格は最大100億円程度。日立事業所(茨城県日立市)で年3基の生産が可能だ。
三菱重工は日米などで患部の動きを自動追尾して照射するエックス線治療装置を販売。南米やロシアなどでも承認を得る。5年後をメドに100億円規模の売上高を狙う。中性子でがん細胞をたたく「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」向け装置も筑波大学などと開発し海外市場を目指す。
住友重機械工業もBNCT向け装置について国内で14年に臨床試験(治験)を開始。15年にロシアに施設を建設し、欧州にも輸出する。
日本の大手が世界で販売すれば装置価格が下がり治療費の抑制につながる可能性がある。大型装置は部品点数が10万点を超えるだけに国内の中小部品メーカーにも波及効果が見込める。
医療分野は高齢化などで成長産業といわれるが、日本メーカーは欧米勢に先を越された。技術開発で先行しても承認審査などの問題から製品化に時間がかかるからだ。政府の支援も受け最新鋭のがん治療機器を市場投入できれば、日本巻き返しの先駆けとなりそうだ。
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