忍者ブログ

気になるニュース、NYダウ、NASDAQ、東京市場、映画 音楽 仕事 その他

今日も一日ご安全に!

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ギター名門ギブソンの“仰天”TOB会見

「両社長によるギターセッションです」――。記者会見が開始されるやいなやの出来事だった。

 司会者の紹介とともに、米ギブソン・ホールディングスのヘンリー・ジャスキヴィッツ会長兼CEO(写真左)とティアックの英裕治(はなぶさ・ゆうじ)社長(写真右)は会見席脇に移動、エレキギターを担ぎ、大音量でロックを奏で始めた。

 ギブソンのジャスキヴィッツ会長がリード(メロディ)、ティアックの英社長がバッキング(リズム)を担当し、即興のジャムセッションを熱演。ときおり目線を交わすなど息の合ったプレーを披露し、会見場を沸かせた。

 特に、英社長はサングラスを持参し、「会見前のかなり早い時間から、リハーサルをしていた」(関係者)というほどの熱の入れようだった。

■ TOBには「賛同」も、TOB価格には「保留」

 3月29日、世界的なギターメーカーのギブソンは、音響機器の老舗であるティアックを子会社化すると発表した。ティアックに出資する企業再生ファンド、フェニックス・キャピタルからTOB(株式公開買い付け)を通じて1億5744万7000株を取得し、出資比率54.61%にまで高める。TOB期間は4月1日から4月30日まで。

 ティアックは当然、TOBに賛同しており、買収成立後も東証1部上場を維持する。
 


 同日の17時から行われた記者会見の席上、ギブソンのジャスキヴィッツ会長が、「英社長は良き友達であり、ギターパートナーでもある」と発言。

 ティアックの英社長も、「私にとってギターはライフワーク(趣味)で、中学生の頃からギブソンブランドを知っていた。ギタリストの憧れであるギブソンと提携できることは夢のようだ」と応じるなど、経営者としてだけでなく、ギタリストとしても良好関係にあることを互いに強調した。

 ただ、ギブソンの提示するTOB価格は31円。ティアック株の3月29日終値58円に対して47%も低いため、ティアック側はその価格の妥当性については意見を保留している。

■ オンキヨーも含めた3社連合に発展へ

 エレキギターだけでなくアコースティックギターやマンドリンなど幅広い製品を扱い、世界中のミュージシャンに支持を受けるギブソン。対するティアックは、プロ用音響機器や業務用音響映像機器などを展開する。

 音楽・音響という共通項はあるものの、「具体的な相乗効果はどこに」と、一見首を傾げたくなるような組み合わせ。ただ、会見の内容からは、両社の提携の狙いがくっきりと浮かび上がった。

 今回の提携により両社は、音響メーカー老舗のオンキヨーを含めた3社で、製品展開や開発を進める計画だ。
 


 ギブソンは昨年1月にオンキヨーに出資しており、「(今回のティアック買収は)日本市場に本格的に注力し、投資することを意味している」と説明する。また、「世界のあらゆる音楽愛好家及びクリエーターの嗜好や経済力に合わせた製品を提供できることになる」(会社側)としている。

 一方のティアックも、オンキヨーと相互に株式を保有する関係にある。昨年9月末現在で、オンキヨーはティアックに対し10.0%を出資、逆にティアックはオンキヨーに対して9.4%を出資している。また、ギブソンのオンキヨーに対する出資比率は13.3%となっている。

■ 3社の機器を組み合わせたライフスタイルを提案へ

 ティアックはハイエンドオーディオの開発技術を保有するだけではない。記録・再生技術に強みを持ち、ミュージシャンがレコーディングツールとして愛用する音楽制作機器「TASCAM(タスカム)」ブランドを展開している点でも、音楽業界では知られている。

 会見上、英社長は「いわばファミリーというか、3社連合のような形で(今後のビジネスを)進めていきたい。たとえば、ギブソンのギターを弾いて、ティアックのタスカムで録音し、それをオンキヨーのヘッドフォンで聴く。お客様(ミュージシャン)にそのようなライフスタイルを提案していきたい」と語り、3社の連携を強化する姿勢を明確にした。

 ギブソンとティアックは共同でのマーケティング活動やグローバル市場での合理化活動も見据える。
 


 ジャスキヴィッツ会長は「私どものマーケティングノウハウを提供できれば、ティアックはさらにパワフルになる」と強調する。

 ティアックの英社長も「マーケティングのノウハウは、日本と米国メーカーでは差がある。アプローチに対する考え方が違う。提携により、日本メーカーが弱いと言われているマーケティング、『技術がありながら、なぜ(世界市場では負け組になる)』という部分を補っていけると思う。ギブソン流のマーケッティングノウハウを取り入れていくことで、ティアックは飛躍できるのではないか」と意気込む。

■ ユーザーからはギブソンの買収劇に「ビビった」の声も

 米国市場において、両社の管理部門を相互利用することでコスト削減を徹底するなど、合理化の促進も想定できそうだ。「収益性を上げていくことも重要だ。オンキョーを含めた3社が連携することで、様々なコスト削減をどんどん進めていきたい」と英社長は話す。

 名門ギターメーカーによる今回の買収劇は、ネット上などで早くも話題になっている。「ギブソンは知っているけど、これは大変なことなの? 」「ギブソンがティアックを買収すると聞いて、ビビった」――。

 レコーディング機能を搭載したギターを開発するなど、ミュージシャンが驚くような製品を投入する提携となるか。

 4月1日からの株式市場での反応が明らかになる前に、音楽業界関係者の期待は早くも膨らんでいる。

梅咲 恵司

東洋経済オンライン
PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

フリー

最新コメント

プロフィール

HN:
suzumaru
性別:
男性
職業:
電工
趣味:
ドライブ 株式投資に興味アリ

ブログ内検索

P R

フリーエリア

Copyright ©  -- 今日も一日ご安全に! --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]